■ソニックインパルスの概要
1.振動系
図1に示すように、バイトシャンクに相当する部分が振動子であり、その先端にバイトホルダーを左右ねじを持つ締着リングで締め付ける。バイトホルダーには市販のチップを取り付けることが出来るため、効率の良い加工が可能です。
半円環状電歪素子(1)、及び(2)が上下に配置されており、上部振動子(1)の厚みが伸びる時に、下部振動子(2)が縮み、次の半サイクルでは逆になるように駆動する仕組みとなっています。
バイト刃先が被削材にある瞬間当たって削り、次の瞬間離れる動作を繰り返すためには、切削速度に対して振動速度を大きくしなければなりません。ソニックインパルス・SB-150の場合、振動周波数19kHz、振動変位が15μmであるため、刃先の振動速度をvとすると、
V=2×π×19(kHz)×15(μm)=1.79m/秒(107.4m/min)
の速度で振動していることになります。
図1 たわみ振動系と断面図と振動変位の分布
2.ピッチング角とローリング角
たわみ振動系では、刃先の振動方向は振動子の軸に対して直角ではなく、図2に示すようにやや内向きになっており、バイトホルダーやチップにより変化するため、取り付け角度を設定する必要があります。刃先の振動方向が、加工面に対して平行になるように調整する傾斜角度をピッチング角(図3-(a))と呼びます。
また刃先を正面から見たときに、片刃バイトのように左右非対称の形状では、アンバランスによって振動方向の傾きが生じます。この傾きを調整する角度をローリング角(図3-(b))と呼びます(本コンテンツ内では、ピッチング角をθR、ローリング角をθrと表記しています)。
ピッチング角が深すぎる場合、刃先は切削方向に食い込むように振動するため、切削方向の断面は鋸歯状になり、逆に浅すぎる場合、チップの前逃げ面とワークが激しく衝突するため、切削抵抗が増大するとともに前逃げ面が磨耗し、切削跡を押しつぶして加工面を悪化させるため、幾何学的面粗さを得るには、振動方向を切削方向に一致させて、切削方向の面粗さを小さくする必要があります。
NC旋盤(写真上)とターニングセンタ(写真下)に搭載された
ソニックインパルス・SB-50
(写真提供:株式会社太武製作所)
■切削速度の違いによる表面性状の比較
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| 10m/min |
Rmax=6.228 |
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| 30m/min |
Rmax=6.887 |
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| 60m/min |
Rmax=6.625 |
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| 100m/min |
Rmax=11.840 |
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| 150m/min |
Rmax=19.550 |
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【切削条件】
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被削材
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S45C
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切込み
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0.1mm
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送り
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0.1mm/rev
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チップ
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TPGT110204K(ケナメタル・ヘルテル・ジャパン)
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材種
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KC730
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使用機械
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NC旋盤(C004/ツガミ)
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使用油剤
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不水溶性
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■被削材の違いによる表面性状の比較
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| A2017 |
S45C |
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| ベリリウム銅 |
SKD11 |
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| ハステロイ |
SUJ2 |
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| コバール |
SUS304 |
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| 無酸素銅 |
Ti-6Al-4V |
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【切削条件】
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切削速度
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20m/min
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切込み
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0.1mm
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送り
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0.1mm/rev
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チップ
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TPGT110204K(ケナメタル・ヘルテル・ジャパン)
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材種
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KC730
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使用機械
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NC旋盤(C004/ツガミ)
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使用油剤
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不水溶性
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【参考文献】
- 隈部淳一郎:精密加工振動切削−基礎と応用−、実教出版
- 加工技術データファイル:事例No.16、207、3328、3340、3345、3368
財団法人機械振興協会技術研究所
- 株式会社太武製作所:振動切削−超音波振動を利用した旋削加工技術−、
機械技術2001年1月号、日刊工業新聞社
- 多賀電気株式会社:ソニックインパルスSB-150取扱説明書
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