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■超音波切断とは

 従来、食物を切る行為とは基本的に「刃物を引きづり乍ら切る揺動力を利用する方法」と「振り下ろして叩くように衝激力を利用する方法」の2通りあります。

 刃物の形状により超音波振動に軸方向の振動を与えると[図1]のナイフ形の場合は揺動方式、[図2]のギロチン形では衝激方法と刃物の形状に合わせた有効な振動を与えることができます。

■超音波振動の効果とは

 例えば周波数が20kHzで振動振幅が30μmのナイフ形ならば1秒間に30μmの揺動を2万回繰り返していることになり、ギロチンならば振り下ろす振幅は30μmとわずかですが1秒間に2万回の衝激を与えていることになります。以上のことから揺動や衝激を振幅が少ないながらも高速で繰り返すことから切れがよくなるのです。

図1

※但しナイフ形の場合には、刃長により振動の波が複数発生するために振動する部分と全く振動しない部分があるので普通のナイフと同じように揺動させることが必要であまり振動振幅を大きくすることができません(当社比で20kHz、40μm max)。
 尚、ギロチン式では、刃物の先端振動振幅は均一することが可能で当社比で20kHz、70μm maxの強力な振動を与えることができます。

■超音波振動振幅とは

 振動子が軸方向に対して伸び縮みをすることで刃物全体が常時伸縮をくり返すことで食物を切断する場合に刃物表面の接触抵抗が著しく減少することでスムーズに切断することができます。

■超音波の有効性とは

 振幅は小さいが高速でくり返すために特に従来切りづらいとされる、

  • 粘り気のある物
グルテン製品、押し寿し、のり巻き寿し、ゼリー、求肥や練り製品、パン生地やクッキー生地等、ソフトキャンディ等

  • 軟らかい物
スポンジケーキ類、焼きたてパン類、カステラ等

  • 硬さの異なる物
各種サンドイッチされた食品(表面にアーモンド、ピーナッツ、スポンジの中に干ブドウ等)

  • 表面が硬くてもろい物
各種ガレット、ゴーフル、ミルフィーユ、ウェハース等

  • 全体に硬い物
冷凍ケーキ他各種冷凍食品、硬くなった餅、くん製品

 以上のような食品に対しては特に効果が発揮されます。

■超音波の注意点

 高速振動による刃物の伸縮のために刃物の表面が滑り運動のような作用をくり返しているために食品と刃物の間で摩擦が発生しますので負荷の大きな場合等(ゼリー等のように刃物に食いつく場合等)には摩擦熱による発熱がありますのでチョコレートや表面にコーティング(クリーム、チョコ、砂糖等)した食品等の場合には素早く切断しないと溶ける等の弊害が発生する場合がありますので注意が必要です。

 また乾燥した食品を切る場合は、コンブ、ワカメ、ノリ等の薄い場合は、割れ易く不向きですが、積層された乾燥もずくやノリを積層して切る場合はギロチン方式ではなく刃物を固定してベルト搬送形のように切断するとクズも少なくスムーズに切断可能です。尚、乾燥しても固まりのような形状の物もかつお節のようにガチンガチンの物でなければ切断可能です(例えば、干しいたけ、魚肉のくん製、干アワビ程度の硬さの物)。